2014/7/16本協議会主催で開催したシンポジウムの開催報告です。
7月16日(水)、午後1時より、東京の株式会社内田洋行・ユビキタス協創広場 CANVASにおいて、海外ビジネス支援サービス調査研究報告会が開催されました。 会は3部構成。
第1部では、『未来をつくる図書館』の著者で、ビジネス支援図書館協議会発足に大きな貢献をされた菅谷明子さん(現在は本協議会顧問)が「アメリカ独立書店に学ぶ、図書館サービスのアイディアあれこれ」と題して講演しました。アメリカでは、オンライン書店の普及に伴い、ディスカウントを売りにした大手ブック・チェーンが軒並み業績を悪化させる一方で、逆にリアルな“場”を提供する独立系の書店が見直され、地元の人々の支援を受けています。菅谷さんの住むマサチューセッツ州ケンブリッジの書店など、アメリカの独立系書店が行なっている様々なイベントや工夫が、多くの写真とともに紹介されました。
第2部では、昨年、発足した海外ビジネス支援サービス調査研究会のメンバーが、それぞれ、イギリス、アメリカ、シンガポールなどの事例を発表しました。詳しくは添付のPDFをご覧ください。
続く第3部パネルディスカッションでは、菅谷さんと海外調査の発表を行なった4人が登壇しました。
図書館の提供する“場”の役割、形だけでない一歩踏み込んだ連携の重要性、広報・マーケティング活動の工夫、といった問題について意見が交わされました。また会場からは、「アメリカでの書店と図書館の連携はどうなっているのか」「日本版SCOREの可能性についてどう思うか」「電子ジャーナルの予算は」といった具体的も質問が多く寄せられ、それぞれの調査を行なった担当者から説明がありました。パネラーだけでなく、参加者からの発言も多く、海外事例から受ける刺激や、日本での課題など、活発な意見交換を通じて、それぞれの考えを深めていくことができたと思います。
■海外ビジネス支援調査研究チーム報告
●『英国の公共図書館におけるビジネス支援サービス』
:田村 俊作(慶應義塾大学、BL協議会理事)
●『米国の公共図書館におけるビジネス支援サービス』
:越塚 美加(学習院女子大学、BL協議会理事)
●『シンガポールの図書館におけるビジネス支援サービス-アジアの事例より』
:桂 まに子(京都女子大学)
●『ここから学ぼう!外国図書館のHPから見つけるビジネス支援サービスの次の一歩!』 『国際ビジネス調査レポート』
:高橋 真太郎(鳥取県立図書館)
■パネルディスカッション
「海外の事例に学ぶ公共図書館のビジネス支援」
〈コーディネータ〉豊田 恭子
〈コメンテータ〉菅谷 明子
〈パネリスト〉田村 俊作、越塚 美加 、桂 まに子、高橋 真太郎