日付 :平成23年1月23日・24日、6月4日・5日(4日間)開催
場所 :日本図書館協会研修室
受講者数:合計11名からの応募。最終的に9名の受講生が全カリキュラムに参加。
以下受講者メンバー個人の所属
新潟市立中央図書館、鳥取県立図書館、株式会社リクルートドクターズキャリア、高知県立図書館、山口県立山口図書館、大分県宇佐市民図書館、葛飾区お花茶屋図書館、宇都宮市立東図書館、潮来市立図書館、川崎市立図書館、岩手県紫波町経営支援部企画課公民連携室
今回が第一回となるビジネス・ライブラリアン中級講習会は、財団法人図書館振興財団によるご支援もと、各関係者の皆様にお力を頂き、日本図 書館協会研修室を会場として開催致しました。ビジネス・ライブラリアン中級講習会は、前半2日間、後半2日間をワンセットとした日程で、後半の2日間は当 初平成23年3月19日・20日に実施予定でしたが、東日本大震災の影響により急遽延期して開催することになりました。日程の変更により残念ながら後半の 講習会に参加できなかった受講生もいらっしゃいましたが、最終的には無事に講習会を終了することができたことに感謝申し上げます。
初日は、安藤晴彦氏によるビジネス支援概論からはじまりました。最新の動向を交えながら語る熱く、説得力のあるお話は、ビジネス・ライブラ リアンとしての意識を高め、意欲を湧きたたせる内容でした。次に余野氏、小針氏、山田氏、古賀氏によるレファレンス講座が開かれました。前年に実施したレ ファレンスコンクールにおいて企業経営者から聞かれた内容が受講者に伝えられ、企業のニーズや期待を知ることができました。また、レファレンスコンクール で優秀賞を受賞した小針氏から、レファレンスコンクールの課題にどのように取り組んだかの紹介があり、受講生は小針氏の取り組み方から多くを学んだようで す。初日の最後には諏訪茂樹氏によるコミュニケーション講座が開かれ、受講生はコーチングなどの技術をとおして多くの新鮮な発見を得られたようです。さら に初日には懇親会も開かれ、講師と受講生との懇親と情報交換がなされ、遅くまで盛り上がっていました。
今回の中級講習会において特徴的な点は、実践演習にあります。これは(1)前半の講習会で企画の立案、(2)前半と後半の講習会の間に案を 自館へ持ち帰って実行、(3)後半の講習会で結果の発表・検証までを行うプロジェクト型演習であり、受講生の実践力を養うものとなっております。前半の2 日目は、この実践演習課題に取り組む過程で地域や企業の人々にアンケートやインタビューをするにあたって必要な「アンケート調査法」・「インタビュー調査 法」についての説明が石川浩一氏によってなされ、次に山崎博樹氏と豊田恭子氏から実践演習が開始されました。現場で実際に使える内容が多く盛り込まれ、受 講生は実践演習課題の実行に向け意欲を燃やしていました。
後半の初日は約4か月が経過した平成23年6月4日に開催されました。後半初日は実践演習課題の発表からはじまるため、皆さん準備に余念が ないようでした。発表の内容としては、作成した企画案を実際に上司に掛け合って承認を得て進めたものや、地元の農家にヒアリングをしたもの、イベントとし て実際に企画を実行したものまで、総じて実践力の向上という狙いに適うものでした。次に、豊田恭子氏によるワールドカフェ形式のワークショップが開かれ、 リラックスした雰囲気の中、自由闊達な意見交換が行われました。新しい形式のワークショップであったため、受講生も新鮮な気持ちで楽しみながら取り組んで いました。
最終日は、レファレンス技能の向上を目的として、小山由美子氏によるオンラインデータベースの活用講座、豊田恭子氏による実践的ビジネス情 報の入手方法の講座が開かれました。最終日の講座はレファレンスを行うにあたり、即時に役立つ知識や手法が数多く盛り込まれており、受講生にとって目から 鱗の内容だったようです。
総括すると、今回中級講習会としてはじめての開催であり、東日本大震災による影響等もありましたが、アンケート等からは総じて受講生の満足 度の高さが覗え、充実した内容とすることができました。これも意欲的な講師と、熱心に取り組んだ受講生、そして関係者の協力によるものと感じております。 これから中級講習会をどのように展開していくか等、課題はありますが、まずは今回得られた成果を喜び、これからの利用者サービスの向上とビジネス支援サー ビスの更なる発展につなげていただきたいと思います。
末尾になりましたが、今後も皆様の一層のご活躍をお祈り申し上げます。