第19回ビジネス・ライブラリアン講習会は、安城市との共催で、平成29年6月オープンの安城市図書情報館のある複合施設・安城市中心市街地拠点施設「アンフォーレ」を会場として令和2年2月17日(月)から19日(水)の三日間で行われました。全国から42名(1名キャンセル)の積極性をもった受講者が集まり、とても活発な講習会となりました。
初日は、副理事長の小林隆志、安城市図書情報館岡田知之館長の挨拶の後、会長である竹内利明から弊協議会の取り組み、公共図書館におけるビジネス支援の重要性について説明をいたしました。さらに、広島市立中央図書館の土井しのぶ氏から広島市でのビジネス支援サービスの立ち上げ、ビジネス相談会の運営について、札幌市図書・情報館の淺野隆夫館長から、同館の設立経緯、ビジネス支援サービスの位置づけ、講演会など豊富なイベントの紹介があり、翌日からの講習の内容を理解する手助けとなりました。また、土井氏、弊協議会の豊田恭子副理事長による対談で、ALAジャパン・セッションでの事例発表の取り組みについての解説がありました。
2日目は、ビジネスレファレンスについて、必要な情報源とレファレンス質問の回答方法について、東京都立中央図書館の実践事例から、余野桃子氏が、研修生への事前課題の採点を踏まえて解説を行いました。他方、同じビジネスレファレンスについて、日本能率協会総合研究所の伊藤正啓氏から、専門図書館の経験を踏まえ、情報源とその活用方法について説明がなされ、受講者の理解を助けました。さらに、同研究所の石川浩一氏からは、マーケティングの考え方になじみのない公共図書館のスタッフ向けに、図書館の行うアンケート調査を題材に説明することによって、マーケティングの基礎について身近なこととして受け止める工夫がなされました。その後、全員で記念撮影を行っています。
3日目は、ビジネス支援に適した資料について、機械振興協会経済研究所の結城智里氏より解説を行い、「機械」というテーマの専門図書館の、分類方法、業界誌、児童書などの活用法などを紹介しました。弊協議会の島津英昌理事からは、ビジネス支援のためのPRについての解説があり、実践的に役に立つスキルの提供を行いました。
今回の講習会では、自館を想定したビジネス支援サービスの企画について事前課題が出され、3日間にわたる班討議が行われ、各自治体における予算要求の場面を想定した発表が行われました。今回は、各班員が講習前に連絡を取れるようにするなど、教育効果を高める工夫をいたしました。また、発表資料を作成する時間を確保することによって質の高い企画案と発表が行われた一方、裏付けとなる各自治体の統計資料や実践事例の参照が不十分であるなど、各自の課題も浮き彫りになりました。
当講習会の名物である、懇親会、名刺交換をとおして人脈づくりのためのプログラムが用意され、最終日の講習終了後には名残惜しい雰囲気が漂い、改めて人と人を結びつける講習会になったと自負しております。まだ修了レポートの審査が残っていますが、42名の新たな修了生が誕生することと期待しています。
最後になりますが、講師の方々、そしてティーチング・アシスタントとして講習の運営に携わっていただいた修了生の方々に御礼申し上げます。
また、今回の講習会では、安城市図書情報館の岡田知之館長様はじめ、スタッフの皆様にたいへんお世話になりました。質の高い講習を提供できたのも安城市のすばらしい会場をお借りできたこと、そして、講習の合間の館内ツアー開催など、さまざまにご配慮いただいた安城市図書情報館の皆様のお陰と深く感謝申し上げます。
講習会場の様子
オンラインデータベースを活用して
ワークショップの様子